カンペキな闇を、子に

 

 もう、頃合いかもしれぬな。何も知らない“お人形”のままで居れば、このような感情をワガハイは持たなかったというのに。

『先生は‥‥冤罪を考えたことがあるでしょうか‥‥』

 バカな男のバカげた質問だ。やはり、どんなに検事として狩魔に染めたところでキサマは甘いロマンチスト。所詮はあの男の息子、か。結局キサマはオトナにはなれなかったコドモでしかない。そんな弟子は狩魔には、不要。親子共々、死刑台へ送ってやる。
 父は最愛の息子の前で死んだ。親として、弁護士として‥‥そんな姿は見せたくなかっただろう。さて、息子の方はどういった地獄を見せようか。もう一度、あの闇に突き落として震えさせて師と信じてやまないワガハイに有罪にされる‥‥なかなかだ。

 そうだ。
 あの御剣、御剣とやかましい、あの刑事も一緒に奈落の底にたたき落としてやろう。己が集めた証拠で有罪にまで持っていかれる‥‥刑事であることに誇りを持ち、かつ御剣を慕ってやまない者には、究極の苦しみだろう。そして何より、御剣怜侍、本人にも。

「クックックッ‥‥」

 あぁ、笑いが止まらない。

 

 

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